松本旅行記 祖父を土に埋めに行く旅で➀

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 お久しぶりです。一週間ほど投稿が途絶えてしまいました。以前のペースであれば一週間ほどの間隔などまったく気にならなかったですが、ここ二、三日の間は、頭の片隅で「そういえばブログの更新をしなくてはなぁ」と思っていたような気がします。飽きっぽい僕にとっては十分な進歩だといえるのではないでしょうか。

 さて、このGWに長野県の松本市に行ってきましたので、そのときの訪れた場所や雑感などをつらつら記しておきます。松本は大学の卒業旅行で訪れた場所なので車で市内をまわるたびに、そのときの思い出がぼんやりとかすめていきました。酒と食料を買い込んだバスターミナル下のスーパーであるとか、迷子になりそうなくらい広い丸善であるとか。お互い金がなく、冬に行った旅行ですので、寒かった思い出が多い旅行でしたが、とても実りある旅行でした。今になってしみじみと思います。

 待ち合わせの駅にて、僕はタクシーが集まるロータリーを見つめていました。朝早いというのに車の流れは多く、いたるところで乗ったり降りたりが繰り返されています。僕はまだはっきりとしない頭で信号を明滅を数えていました。時々、正面のコンビニのドアが開き、店内放送が聞こえてきます。こうしていると連休中であるにも関わらず、今が通勤の真っただ中であるという錯覚を覚えます。「日本人忙しなくしているのが好きだな」と思います。僕はそうではないので、きっと模範的な日本人ではないのでしょう。きっと。

 うごめく群れの中で一つのタクシーの扉が開き、祖母が出てきました。黒いレースを羽織り、胸には白い包みをしっかりと抱えています。僕は手を挙げ、近づきました。横断歩道が緑に変わり、手を振ります。こちらに気が付いた祖母はトランクから荷物を取り出し、僕に包みを渡しました。

「これ、重いから気をつけて」

 受け取ると確かに重い。これは祖父の遺骨が入った骨壺なのです。

「よく持ってこれたね」

 祖母はもう八十になろうかという年齢です。頷いたあと、バッグを持ちながら言いました。

「こっからはあんたに持ってもらうからね」

 そうです。今回の旅行の僕の役目は、祖母に代わって遺骨を運ぶことです。

 僕が持ち位置の調整をしているとタクシーは去っていきました。まだ電車の発車時刻には余裕がありますが、祖母の足の状態を鑑みるにゆとりを持って向かったほうがいいでしょう。僕は祖母に歩調を合わせるようにゆったりとした足取りで改札に向かいました。

(続く)

 

 

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